審査会点描
審査会は朝一番に到着された千住審査員の発案で、まず705点の作品を粗選びするところから始まりました。各審査員の指示で作品が部屋から部屋へと大移動です。これぞと思う作品が100点ほどに絞られた段階で、作品群のなかから少しずつ頭ひとつリードの作品が見えてきました。
それらを一室にあつめたところで、佐々木審査員が「予定の総入選数からあつめられた作品数を引いて、その残りを皆で投票して決めよう」と提案され、早速その数だけフセンが配られました。こうして最後には、43作品がだいたい横一列に並びました。
次に、その見事な作品のなかからさらにフセンの投票で、上位10点ほどが選び出されます。この段階で2点出品の方も1点に絞られましたが、これが意外と難航。審査員があつまって、しばしば作品の前で長い議論になります。日本画、油絵、水彩、版画、鉛筆ドローイングと間口が広い上、16歳から89歳の方まで応募されているのですから仕方ありません。
大賞、優秀賞を選ぶときなど「そもそも絵画とは、芸術とは」の見解まで示されました。それでもすべてが全員了承で決まったのは、やはり審査員たちの間に「この展覧会に相応しい優れた作品を選ぼう」という共通の決意があり、徹底的に議論したからだと思われます。
最後に千住審査員が「これだけ素晴らしい作品が多かったのだから、あと数点佳作賞も加えさせてもらいたい」と提案され、急遽選定されました。終わったとき、上野のお山はもうとっぷりと日が暮れていました。
全入選者・作品名
山﨑 鈴子 |
夜のやみ |
王 清 |
楽園 |
永松 あき子 |
MOTHER |
実石 江美子 |
沈黙 |
伊庭 広人 |
展望201 希望への始まり2011 |
青木 成実 |
光~霞の朝~ |
向川 貴晃 |
混沌の華 |
真柴 毅 |
集団行動 |
山影 広野 |
Atmosphere#1 |
三箇 大介 |
森と地層 |
陳 芃宇 |
生命 |
吉村 一穂 |
赤い夜 |
北川 安希子 |
うねりの中を漂う |
竇 偉 (ドウウェイ) |
wolf |
梅澤 千絵子 |
生きる Ⅱ |
いのうえ あい |
Walk on water |
坂元 博人 |
存在の行方 |
帆足 枝里子 |
地景 |
阿部 哲也 |
復楽園 |
大庭 明美 |
樹影の微睡 |
八木原 由美 |
月を待つⅠ |
宮本 樹里 |
誘われている |
菅原 百佳 |
日月麗天 |
大森 隆史 |
道 |
外山 寛子 |
星の使者 |
青木 香保里 |
LINE |
諏訪 智美 |
古里遊魚図ー家路ー |
樋口 達郎 |
無人島 |
上田 圭一 |
流水を眺め感情に浸る |
山本 雄教 |
shine rice |
野口 広美 |
清風 |
北原 順子 |
蘇生 |
佃 静聞 |
ヤエコの世界 |
中尾 泰斗 |
カゲロウノヨウニ、儚ク。 |
井上 あや |
過去・現在・未来 |
石野 善浩 |
ヤミヲカカエル |
佐藤 美沙紀 |
呼吸 |
桶田 洋明 |
行く末の園 |
市谷 實 |
いずこへ ― <陽> |
林 寿朗 |
復活の島 |
永井 祥浩 |
そのまま |
川越 ゆりえ |
影 |
宮崎 健太郎
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百日紅 2011-13 |
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(佳作賞および入選の方は、申し込み順に並べてあります。) |
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